株式投資の基礎

株式市場の種類を整理・徹底解説。上場審査基準や上場企業について。

株式市場の種類を整理・徹底解説。上場審査基準や上場企業について

日々何となく取引している株式市場には、複数種の市場が存在します。

今回はそんな市場の種類を改めて調査し、整理しておこうと思います。

日本の株式市場

日本の株式市場は4つの証券取引所で構成されています。

東京証券取引所

1部・2部・マザーズ・JASDAQ・上場投信信託(ETF)・不動産投信信託(J-REIT)

名古屋証券取引所

1部・2部・セントレックス

札幌証券取引所

上場株式市場・アンビシャス

福岡証券取引所

上場株式市場・不動産投信信託(J-REIT)・Q-Board

このうち、最も主要な取引所は東京証券取引所です。基本的に投資家の多くはこの東証で証券を売買します。以下、東証について解説していきます。

東京証券取引所の中身

東京証券取引所はさらに6つの部分によって構成されています。

1部

東証一部と呼ばれる、いわゆる大企業が上場できる市場です。

2部

東証二部と呼ばれる、いわゆる中堅企業が上場できる市場です。

マザーズ

ベンチャー企業が上場する市場です。このうち将来的に大企業に昇格する企業もひしめいています。スタートアップの規模が拡大してきたら、大抵の場合はマザーズに上場します。

JASDAQ

こちらもマザーズと同等の市場で、新興企業向けの市場です。

上場投信信託(ETF)

投信信託の一種で、うち上場しているものを指します。投信信託ですが、株と同様の扱いをすることができます。

不動産投信信託(J-REIT)

投信信託の一種で、不動産にカテゴリを絞った上場型投信信託です。

東証一部のメリットとは

企業が東京証券取引所等に上場する場合、「上場審査基準」という厳しい基準を満たさなければなりません。特に、東証一部に上場する場合の審査基準は非常に高いです。

よって東証一部に上場するということは、厳しい審査を通過するだけの健全な経営がなされており、社会的信用が高い会社であるという事が認められるという事と同等です。

審査を通過するためには健全な経営をすることは勿論、利益を出し、外部に対して監査済みの財務諸表等を公開する必要があります。

このプロセスをコストをかけても行い、上場する企業側のメリットとして、「外部からの資金調達」が出来るようになります。また、社会的な信用度がつき、世間の知名度もアップします。優秀な人材を確保しやすくなったり、社内の経営がより組織的になります。社員のモチベーション向上にもつながり、それが利益に繋がることもあるでしょう。

上場を継続するための費用がかかったり、情報開示にコストがかかる等デメリットも存在しますが、東証一部に上場するということは非常にインパクトの強い出来事なので、一部上場を目指す企業は後を断ちません。

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一部上場は企業にとっての大きな達成点でもある、めちゃくちゃスゴい事なのだ!

また、東証一部の審査基準として以下のようなものがあります。

東証一部の審査基準
  • 株主数2200人以上
  • 流通株式数2万単位以上
  • 時価総額250億円以上
  • 最近2年間の利益額総額が5億円以上
  • 最近2年間の有価証券報告書等に「虚偽記載」無し等経営上の虚偽が無い

審査基準が若干緩めの東証二部

東証二部は、東証一部に比べて上場審査基準が若干緩めです。よって東証二部に上場している企業は大企業ではなく、中堅企業の占める割合が大きいです。

東証二部の審査基準
  • 株主数800人以上
  • 流通株式数4000単位以上
  • 時価総額20億円以上
  • 3年以上継続的に事業継続していること

東証二部から一部に上場するケースもありますが、逆に東証一部から二部へ降格する企業もあります。

千代田化工、東証2部に降格=8月1日(JIJI.COMより)

経営状況が悪化したりすると、このように市場変更を余儀なくされる企業もあるという事は頭の片隅に入れておいた方が良さそうです。

かぶ子

企業の状態によって市場が変わる可能性もあるのね!

マザーズとJASDAQの違い

こちらも東証二部と性質が類似していますが、比較的ベンチャー企業が多めの市場です。

マザーズもJASDAQもベンチャー企業が上場するのは変わりませんが、マザーズには「東証一部上場」を目指す企業、JASDAQはそれ以外という認識を持っていればいいかなと思います。

元々、JASDAQは店頭市場で、東証ではなく証券会社の店頭で売買されていました。その後店頭売買から取引所へ転換し、後大阪証券取引所に吸収合併され、その大阪証券取引市場が東京証券取引所に統合され、現在に至るという経緯となっています。

こういった歴史を押さえておくと、市場の規模間のイメージが掴みやすいですね。

それぞれの上場審査基準は以下の様になります。

JASDAQの審査基準
  • 株主数200人以上
  • 流通株式数1000単位以上
  • 時価総額5億円以上
  • 1年以上継続的に事業継続していること
マザーズの審査基準
  • 株主数200人以上
  • 流通株式数2000単位以上
  • 時価総額10億円以上
  • 1年以上継続的に事業継続していること

比較すると、最低基準で大体JASDAQの2倍程度の規模の会社が上場するのがマザーズだという事が分かります。実際、マザーズは東証一部上場のステップとして使う企業も多いようです。

どちらの市場も成長可能性が評価されるので、短期間で大きく成長する企業が出ることがよくあります。よってこのあたりの新興企業に投資すると、大きなリターンが見込める可能性が他の市場と比較して高いです。

しかし、長期的な視点からは非常にリスクのある投資となるので、様々な指標を確認して投資する事が重要となります。

東証一部の上場基準の見直しについて

東証一部の問題点

今年に入って、東証一部の上場基準の見直しについてのトピックが話題になってきています。これは近年になって株式市場に偏りが出てきてしまっているためです。

東証一部の上場企業数は2000を超えており(2020年1月現在)、世界中各国に比べても多い水準となっています。このため、一部では株式の流動性が低い企業も数多く、この問題を筆頭に、株式市場の活性化を図る為に、東証一部の再編が計画されています。

もともとの東証一部の上々審査基準として、時価総額500億円というものがありましたが、リーマンショックをきっかけにして、現在はその水準の半分「時価総額250億円」に緩和されています。

さらに、東証二部やマザーズからであれば、時価総額で40億円以上あれば一部市場に昇格できる特例があります。しかしながら、JASDAQでは250億円のままです。まず、この市場昇格の基準が統一されておらず、分かりにくいという指摘があります。

そして、一部から二部に降格する場合の条件は、時価総額が20億円未満になった時であり、昇格基準よりも低めに設定されています。よって一部に上々する企業数の方が多くなり、現在のような2000社を超える市場へ成り変わってしまったのです。

この点も見直しが必要であると指摘されています。時価総額が低い会社が多くなると、その分流動性のない企業も必然的に現れるでしょう。そのような企業を東証一部に組み込むかどうかが議論のポイントとなっています。

JPXが提案する新たなマーケットとは

上記の様な問題点を解決する為に、JPX(日本取引所グループ)は「現在の市場構造を巡る課題」を発表しています。

この資料によると、JPXは

  • 各市場区分のコンセプトが曖昧であり、多くの投資者にとって利便性が低い
  • 上場会社の持続的な企業価値向上の動機付けの点で期待される役割を十分に果たせていない
  • 投資対象としての機能性と市場代表性を備えた指数が存在しない

としています。よって、この様な問題点から上場銘柄の特性に応じた複数の市場を設け、明確なコンセプトに基づいた制度に再設計を行う事が適当と述べています。

コンセプトに基づいた制度とは、具体的には以下のようになります。

上場基準
  • A・C市場

ガバナンス体制・流動性・利益水準・市場評価等

  • B市場

先行投資型企業を含た、成長可能性の高い新興企業向けであり、A・C市場より緩和された基準

JPXはこの基準を基にして、企業や投資家への影響を十分に考慮した移行プロセスを確保すると発表しています。

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整合性のとれた市場に再編できれば、投資家の観点からもわかりやすくなるので良いと思う!もう今の市場に慣れちゃってるけどね…笑

まとめ

日本の株式市場の種類についてまとめてみました。

東証一部上場企業は、安定性があり、倒産のリスクは少ないですが、時価総額の大きい企業程、株価が大きく変動しにくいという特徴があります。

対して、東証二部やJASDAQ、マザーズ等の中堅企業やベンチャー企業は今後大きな成長可能性が見込めます。よって株価も大きく上昇する可能性を秘めていますが、経営体制が一部に比べて比較的貧弱なため、倒産や上場廃止のリスクも備えているというデメリットもしっかりと覚えておきましょう。

その場合時価総額が小さいので、株価が大きく動きやすいという特徴もおさえておくと良いと思います。

株式投資の基礎についてもこちらの記事で解説しているので、是非ご覧下さい!

かぶ子

とてもわかりやすかった!これを踏まえた上でどの企業に投資するか決めなきゃね!

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